QGIS基礎:座標系操作

qgis-crsope-ic QGIS
qgis-crsope-ic

QGISのデータの座標系とプロジェクトの座標系の確認方法、操作方法について説明します。(QGIS 3.40LTRで動作確認しています。)

注:本稿の文章やスクリーンショットで、「座標系」、「座標参照系」、「CRS」という言葉が出てきますが、ほとんど同じ意味で使っています。QGISでは「座標参照系」が使われていますが、業界標準のArcGISでは単に「座標系」としていることが多いため、本稿では「座標系」と「CRS」を使い、スクリーンショットの記述を指す場合に「座標参照系」を用いています。

QGISはフリーでオープンソースの地理情報システムです。

QGISプロジェクトの座標系設定

まず、QGISプロジェクトの座標系設定(マップビューの座標系)を確認しておきましょう。メニューバーの「設定」ー「オプション」です。下図によると、デフォルトのCRSはWGS 84に設定されているものの、最初にレイヤに追加したCRSによって上書きされるようになっています。また、CRSが指定されていないデータはそのまま受け入れるようです。(新たなデータの座標値を、その時のプロジェクトの座標系の座標値と仮定して描画するわけですから、受け入れたからといって表示されるかどうかはわかりませんが。)

プロジェクトの座標系設定
プロジェクトの座標系設定

データの座標系

次に、「GISデータの種類」で使用したalaska.shpをブラウザで右クリックしてみましょう。現れたメニューから、レイヤのプロパティをクリックします。

レイヤのプロパティを開く
レイヤのプロパティを開く

すると、「レイヤのプロパティ」ダイアログが開きます。

レイヤのプロパティダイアログ
レイヤのプロパティダイアログ

プロパティには「参照座標系(CRS)」という項目があり、NAD27測地系により測量された北米アラスカ用投影座標系で、データの単位はフィートであることがわかります。これが、このデータの座標系です。ラスタデータでも情報の種類は違いますが、CRSの項目はあります。また、CRSが埋め込まれていないデータではこの項目は空欄になります。確認したらダイアログを閉じましょう。

次に、ブラウザのalaska.shpをダブルクリックします。すると、プロジェクトの挙動で指定されているとおり、右下のプロジェクトの座標系がEPSG2964 (NAD27 / Alaska AlbersのEPSGコード) に変わります。レイヤパネルでalaskaを選んで右ボタンクリックし、プロパティを確認すると、レイヤのCRSもデータのCRSと同じであることがわかります。

プロジェクトの座標系とデータの座標系
プロジェクトの座標系とデータの座標系
すだくん
すだくん

QGIS 3.28LTRなど過去のバージョンでは、alaska.shpをダブルクリックすると「alaskaのtransformationの選択」というダイアログボックスが開いて座標変換するよう指示されたよ。バグだと思っていたら、やっぱりQGIS 3.40LTRでは表示されなくなっているね。でも結局は2つ下の図のように、どこかで出会うことになるんだけどね!

プロジェクトの座標系

今度は、プロジェクトの座標系(前図右下の赤枠の部分)をクリックしてみましょう。下図のダイアログが開きます。

プロジェクトの座標系
プロジェクトの座標系

②は、各自が最近使用したCRSなので、人によって内容が違うと思います。③はQGISにあらかじめ定義されている多数のCRSのリストです。①にCRSの名称やEPSGコードを入力すると、②、③には該当するものだけが表示されます。④は現在のプロジェクト座標系または②③で新たに選択した座標系の定義、⑤はその座標系の適用可能範囲(オレンジ)と現在のマップビューのおよその範囲(ピンクと中心を示す+)です。アラスカは経度180を跨いでいるのでマップ両端にフィーチャが存在するため、適用可能範囲外である中間付近のヨーロッパに+マークがあります。

①に102016と入力すると、③にNorth_Pole_Azimuthal_Equidistant ESRI:102016が表示されますので、それを選択して「適用」ボタンを押してみましょう。すると、マップビュー上辺に黄色の帯が現れ、「EPSG2964からESRI102016への変換に、概算transformが使用されました」という黄色のサインが現れ、下図右側のような座標変換ダイアログが現れると思います。元データと変換後の地理座標系が大きく異なるので、精度が異なる複数の変換方法があるからです。ここではどれでも良いので、1番上のものを選んでOKしましょう。なお、変換方法が1つならダイアログは現れません。

プロジェクト座標の変更と座標変換法の選択
プロジェクト座標の変更と座標変換法の選択

QGISで作業中、いろいろな場面でこの座標変換の選択が求められることがあります。ダイアログをよく読めば対応できるので驚かないようにしましょう。

マップビューに戻ったら、ブラウザパネルのXYZ Tiles内にあるOpenStreetMapも表示させます。マップビューの表示域が広すぎると座標変換に時間がかかり、表示が現れるのが遅くなるかもしれません。少し待つと、以下のような図が表示されるでしょう。

North_Pole_Azimuthal_Equidistant座標系による表示
North_Pole_Azimuthal_Equidistant座標系による表示

North_Pole_Azimuthal_Equidistant は、北極からの距離が正しくなるように描いたものです。この座標系にはEPSGコードは無いようで、ESRI(ArcGISの開発会社)のコードがついています。この状態でalaskaレイヤやalaska.shpファイルのレイヤプロパティを調べてみてください。EPSG2964から変化していないはずです。またOSM StandardレイヤのCRSも調べてみると、また別のものであることがわかります。つまり、データの座標系とプロジェクトの座標系は独立しており、複数の異なるCRSを持つデータであってもマップビューにはプロジェクトの座標系を用いて表示できるのです!

QGISには多くの投影座標系が登録されていますので、いろいろ試してみると面白いですよ!今回は以上です。Have fun!

QGISまとめ:自然・環境調査のためのQGIS最速マスター
QGISまとめ:専門家も使っているフリーのGIS。Windows, mac, Linuxで使用できますが、iphoneは非対応。最速マスターを目標に、自然・環境調査のために最低限必要な情報を厳選しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました