Metashape, COLMAP, Regard3D, MicMac, WebODMなど無料・有料写真測量ソフトの処理速度を同じ機材で比べてみました。オマケでM1 MacBook Airでの速度も比較しています。有料ソフトやM1 macの実力がわかりますよ。
使用画像・使用機材について
これまでに検証した有料・無料の写真測量ソフトについて、Dji mavic proで撮影した同じ58枚のUAV画像を使って密な点群を作成するまでに要した時間(秒)をまとめてみました。Metashape pro以外のソフトはSKラボにとってほとんど初見であり、ほぼデフォルト状態での試用なので、さらにチューニングできる可能性があることはご承知おきください。(Metashapeもデフォルト設定ではありますが・・・)
使用機材はRazer Stealth 13 GTX FHD model (Core i7, GTX 1650)です。GPUはローエンドかもしれませんが、長らくノーGPUで出張中の解析を頑張ってきたSKラボにとっては天国です。また蛇足ではありますがMetashape proをM1 MacBook Air 2020で実行した結果も加えてあります。
処理速度比較表
SfM、MVSの各ステージごとの処理時間(秒)を表にしました。表のソフト名をクリックすると試用記事が開きます。
ソフト名 | SfMステージ | MVSステージ | GPU使用状況 その他 |
---|---|---|---|
Metashape pro 1.7.0 | 78 | 347 | CUDA使用。DEM・オルソ生成可 |
Metashape pro 1.7.0 | 207 | 6720 | GPU不使用に設定 |
Metashape pro 1.7.1 (macOS) | 88 | 276 | M1 MacBook Air 8コアGPU使用, Rosetta2使用 |
Metashape pro 1.8.2 (macOS) | 81 | 197 | M1 MacBook Air 8コアGPU使用, M1 Native |
Regard3D 1.0.0 | 1342 | 1352 | GPU不使用。DEM・オルソ生成不可 |
COLMAP 3.7 | – | 全体で7380 | CUDAバージョンを使用。DEM・オルソ生成不可 |
MicMac 1.1 | 5340 | 5100 | GPUオプションはあるが要再コンパイルのため不使用。DEM・オルソ生成可 |
WebODM 1.9.11 | – | 全体で1222 | フォーラム記事ではGPU対応は不完全と思われるがタスクマネージャ上ではGPUが動いている。DEM・オルソ生成可 |
GPUをフル活用した有料のMetashape proと、GPUがデフォルトでは使えていないっぽい無料ソフトを比較するのは可哀そうだけど、圧倒的な速度差だね。
圧倒的な差というなら、Metashape proの3000ドル以上!という一般向け価格も圧倒的ね。速度は我慢して機能的な差があるかどうかを見るべきでしょうね。M1 macは噂通りの性能!
これらの無料ソフトを試用した限りでは、かかった時間を別にすれば、UAV画像についてはどのソフトも密な点群を生成することはできました。中でもWebODMは操作性を含めて完成度が高かったです。
しかしSKラボとしては、少しでも測量の費用を抑えるため、手持ち撮影でどれだけ結果を出せるかに興味があります。手持ち撮影は、
- 近景と遠景の距離の比が大きいことから、撮影時に近景のオーバーラップ率が小さくなりがち
- 天頂角の絶対値やばらつきが大きくなりがち
- 1枚の画像に占める水面の比率が大きくなりがち
- 河岸の植生など固定されていない被写体が多く写りがち
といった、写真測量ソフトにとって難しい条件の画像になりがちです。実はすでにいくつかの河川の画像で試したのですが、今までのところ、Metashape pro以外では結果が出せない場面が多いのです。手持ち撮影方法の改良も含め、無料ソフトでUAVを使わないでDEM・オルソを作成する方法を追求していきますので今後の報告にご期待ください。 Have fun!
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